闇金は司法書士に頼めるか|無登録営業と契約の無効
返済が回らなくなると、審査が甘いという広告が目に入るようになります。
そこで見分ける材料になるのが登録です。貸金業には登録が要り、登録が無い相手との契約は、法律の側で扱いが変わります。
登録が無ければ営業できない
貸金業法11条1項は短い条文です。
第三条第一項の登録を受けない者は、貸金業を営んではならない。
3条1項は、営業所が2つ以上の都道府県にまたがるなら内閣総理大臣、1つの都道府県だけなら知事の登録を受けることを求めています。
そして同条2項に期限があります。
前項の登録は、三年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
登録番号の括弧に入っている数字は、この更新の回数です。(1)なら最初の3年以内、(5)なら15年ほど営業していることになります。
広告と勧誘も禁じられている
11条には2項があり、登録が無い者について2つの行為を挙げています。
貸金業を営む旨の表示又は広告をすること。
貸金業を営む目的をもつて、貸付けの契約の締結について勧誘をすること。
貸すこと自体だけでなく、広告と勧誘も禁じられています。つまり登録番号を書いていない広告は、その時点で条文に触れています。
貸したかどうかを確かめる前に、広告の段階で見分けられるということです。
罰は10年以下の拘禁刑
無登録営業の罰則は47条です。柱書はこうなっています。
次の各号のいずれかに該当する者は、十年以下の拘禁刑若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
同条2号が11条1項違反、つまり無登録営業です。1号は不正の手段で登録を受けた場合、3号は名義貸しです。
この法律でいちばん重い罰がここに置かれています。業務停止命令に違反した場合(47条の2)でも5年以下なので、無登録で営業することはその倍にあたります。
名義を貸すことも同じ罰になる
47条には3号もあり、12条違反が挙げられています。12条は名義貸しの禁止です。
登録を受けた業者が、自分の名義で他人に貸金業を営ませてはいけない、という定めで、違反すると無登録営業と同じ10年以下の拘禁刑になります。
登録番号が本物でも、実際に営んでいるのが別の相手なら同じ条に入ります。だから番号が検索で出てきたときも、連絡先や振込先が登録された商号と一致しているかを見ることになります。
なお業務停止命令に違反した場合は47条の2で5年以下です。無登録で営むことのほうが、命令に背くことより重く置かれています。
契約そのものが無効になる
罰則とは別に、借りた側から見て重要な条文があります。42条1項です。
貸金業を営む者が業として行う金銭を目的とする消費貸借の契約(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつて金銭を交付する契約を含む。)において、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。)の契約をしたときは、当該消費貸借の契約は、無効とする。
末尾が「当該消費貸借の契約は、無効とする」です。利息の契約ではなく、その消費貸借の契約が無効とされています。括弧の中で、債務の不履行について予定される賠償額も利息に含めると書かれています。
過払い金の仕組みと上限金利で見た利息制限法は、超えた部分だけを無効にする作りでした。42条はそこが違います。
利息制限法1条
- 上限を超えた利息の部分
貸金業法42条1項
- 消費貸借の契約そのもの
利息制限法は超えた部分だけを無効にするが、42条は契約そのものを無効にする
年109.5%は、10日で3割といった条件なら大きく超えます。どちらに当たるかは、実際に約束した利率を計算して確かめることになります。
金利そのものにも罰がある
貸金業法42条は契約を無効にする条文で、罰を定めているのは別の法律です。出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、いわゆる出資法の5条です。
同条2項は、業として貸す場合に年20パーセントを超える利息を約束すると5年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金になると定めています。そして3項がこうなっています。
前二項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、十年以下の拘禁刑若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
**契約しただけで罰の対象です。**同項の後段は、受け取った場合と支払を要求した場合も同じだとしています。取り立てに来るところまで待つ必要はありません。
業として年20%超の利息を約束(出資法5条2項)
- 5年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金
業として年109.5%超(同3項)
- 10年以下の拘禁刑または3000万円以下の罰金
率が上がると罰も重くなる。どちらも「約束した」ことが対象
登録は自分で確かめられる
登録を受けた業者は、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで調べられます。商号や登録番号から引けるので、広告に書かれている番号と照合できます。
番号が書かれていない、検索しても出てこない、書かれている番号と商号が一致しない。このどれかに当たるなら、11条の側の相手です。
誰に相談するかは金額で決まる
無登録の相手であっても、依頼するときの線引きは変わりません。認定を受けた司法書士が代理できるのは1社あたり140万円までで、それを超えるものは弁護士になります。
1社ずつで数えるので、総額が140万円を超えていても、法務大臣の認定を受けた認定司法書士に頼める場合があります。数字の出どころと、認定を受けているかの確かめ方は司法書士と弁護士の違いは140万円で分かれるにまとめました。
依頼したあとに取立てが止まる仕組みは、登録の有無と関係なく働きます。依頼を受けた側が出す受任通知が届いた後の扱いは、貸金業法21条1項9号にあります。条文の追い方は受任通知が届くと取立てが止まるにまとめました。
公的な窓口もある
費用の心配があるときは、先に公的な窓口があります。法テラスは収入などの条件を満たす場合に無料の法律相談を行っています。契約や取立てで困っている段階なら消費者ホットライン(188)、つきまといや脅しがあるなら警察相談専用電話(#9110)です。
先に相談してから依頼先を決めても、遅くはありません。
頼む先を選ぶときに見るところ
無登録の相手が出てくる場面でも、依頼先の線は1社140万円で引かれます。そのうえで、闇金への対応を別立てにしている事務所があります。
シン・イストワール法律事務所は費用のページに「ヤミ金融整理・給与ファクタリング整理」の欄を置いています。闇金業者の場合を1件につき53,900円(税込)とし、通常の任意整理とは別の料金にしています(2026年9月6日確認)。
金額そのものより、欄が別に立っていること自体が手がかりになります。扱っていない事務所なら、この項目がありません。相談する前に費用のページを開いて、あるかどうかを見てください。
まとめ
- 貸金業には登録が要る(3条1項)。登録は3年ごとの更新(同2項)
- 登録が無い者は、貸すことだけでなく広告と勧誘も禁じられている(11条2項)
- 無登録営業は47条2号で10年以下の拘禁刑または3000万円以下の罰金、併科もある
- 年109.5%を超える契約は、利息だけでなく契約そのものが無効(42条1項)
- 利息制限法は超えた部分だけを無効にするので、範囲が違う
- 金利そのものは出資法5条が罰する。業として年20%超で5年以下、109.5%超で10年以下
- 契約しただけで対象になり、受領と支払の要求も同じ
- 登録は金融庁の検索サービスで自分で確かめられる
- 依頼先の線引きは1社140万円で、登録の有無では変わらない
線の根拠と、認定を受けた司法書士に限られることは司法書士と弁護士の違いは140万円で分かれるにあります。