債務整理は、誰に頼めるかで決まる
司法書士が任意整理を代理できるのは、1件140万円までです。司法書士法3条1項7号が裁判所法33条1項1号の額を上限にしていて、しかも認定を受けた司法書士に限られます。つまり借金の額によって、頼める相手が先に決まります。広告の文言ではなく、条文で確認できる範囲だけを整理したサイトです。
司法書士と弁護士の違いは代理できる金額── 1件140万円の線がどの条文から出てくるか、認定の有無をどこで確かめるかをまとめています。
自己破産の費用は同時廃止か管財かで変わる── 東京地裁が公表している予納金から、同時廃止と管財で何が変わるかを並べました。
1債務整理のきまりを知る
誰に頼めるか、上限金利、取立てが止まる根拠は条文に書かれています。
- 期限の利益の喪失|残り全部が一度に来る分割で払っていた借金が一括請求に変わるのは、民法137条の3つの場合だけではありません。多くは契約書の条項によるもので、クレジットカードのショッピングには書面催告という別の制限があります。期間が7日になる場合まで条文から整理しました。
- 闇金は司法書士に頼めるか|無登録営業と契約の無効貸金業の登録が無い相手は、貸すことも広告も禁じられています。年109.5%を超えると契約そのものが無効です。条文と、1社140万円で分かれる相談先を整理しました。
- 借金の相続放棄は3か月。起点は死亡日ではない相続放棄の期限は民法915条1項の3か月ですが、起点は「自己のために相続の開始があったことを知った時」です。家庭裁判所への申述が要ること、財産に手を付けると放棄できなくなること、間に合わなかったときに残る道を条文から整理しました。
- 慰謝料が自己破産で消えるかは、条文の2号と3号で分かれる破産法253条1項のただし書きに、免責されない請求権が並んでいます。慰謝料が入るかどうかは2号の「悪意」と3号の「人の生命又は身体」で分かれ、条文はそのどちらも定義していません。読み方と、名簿への記載を落とした場合の扱いを整理しました。
- 借金の公正証書があると裁判を経ずに差し押さえられる「直ちに強制執行に服する」と書かれた公正証書は、民事執行法22条5号で債務名義になります。貸金業者は代理人の選任に関与できず、事前の書面での説明も義務づけられています。
- 総量規制は誰にかかっているのか年収の3分の1という線は貸金業者にかかる規制で、条文では「個人過剰貸付契約」と呼ばれます。銀行が対象外である理由、住宅ローンが除かれる理由、収入証明が要る金額の線を条文から整理しました。
- 司法書士と弁護士の違いは代理できる金額司法書士と弁護士の違いは、代理できる金額で分かれます。司法書士が任意整理を代理できるのは1件140万円までです。司法書士法3条1項7号が裁判所法の額を上限にしていて、しかも認定を受けた司法書士に限られます。条文から順に整理しました。
- 過払い金の仕組み|上限金利は元本で3段階利息制限法1条は元本の額で上限金利を分けていて、超えた部分は無効と定めています。過払い金が戻る仕組みも、この無効と民法の不当利得から出てきます。条文で整理しました。
- 過払い金の時効は起点が条文に書かれていない過払い金の返還請求は民法703条の不当利得です。消滅時効の期間は166条1項に2つ並んでいて、改正前に生じた債権は附則で従前の例によるとされています。条文で確認できる範囲を整理しました。
- 借金の時効は、待っている間に何度でも振り出しに戻る消滅時効は民法166条1項の5年または10年ですが、152条は権利の承認があれば時効がその時から新たに進行を始めると定めています。更新と完成猶予の条文から、待つことで何が起きるかを整理しました。
- 受任通知が届くと取立てが止まる受任通知が届くと、貸金業者は債務者へ直接の請求ができなくなります。根拠は貸金業法21条1項9号で、同項は取立ての方法そのものにも制限を置いています。何が止まって何が止まらないかを条文から整理しました。
2手続きを比べる
任意整理・特定調停・個人再生・自己破産で、決める人と効果が違います。
- 債務整理の口座凍結は相殺|手続きごとに違う口座が使えなくなるのは「凍結」という制度ではなく、銀行が預金と貸付を相殺するためです。相殺だけは破産手続や再生計画の外でできると条文に書かれています。手続きごとの違いを民法・破産法・民事再生法から整理しました。
- 個人再生で車のローンだけ特別扱いされない理由民事再生法には住宅資金特別条項がありますが、車には対応する条文がありません。196条1号の「住宅」の定義と、53条1項が列挙する担保権、割賦販売法7条の所有権留保の推定を並べて整理しました。
- 生活保護を受けていても自己破産はできる生活保護と自己破産は別の制度です。保護費は差し押さえられませんが、過払い金が戻ったときは届出の義務があり返還を求められます。費用は法テラスの立替えがあり、司法書士に頼めるのは1件140万円までです。
- 個人再生と住宅ローン|家を残せる条件は1つずつ住宅資金特別条項は民事再生法196条以下にあり、住宅の定義・ローンの形・他の担保の有無という条件が並んでいます。原則は約定どおり払い続けることで、減るのは住宅ローン以外です。条文から整理しました。
- 自己破産の条件は金額では決まらない破産法が定める開始の原因は支払不能で、金額の線は書かれていません。免責は原則として決定され、該当する事由があっても裁判所が許可できる規定があります。条文から整理しました。
- 自己破産で車がどうなるかは、名義と価値で分かれる破産法34条1項は破産手続開始の時に有する一切の財産を破産財団とすると定めていますが、3項に例外があり、4項には範囲を広げる手続きがあります。ローンが残っている車は62条の取戻権の話になります。条文から整理しました。
- 個人再生と自己破産の違いは残せるもの自己破産で手元に残る現金の額は、破産法から民事執行法、さらに政令まで辿ると出てきます。個人再生でいくら払うことになるかも民事再生法に書かれています。条文から整理しました。
- 任意整理のデメリットと、先に確かめること任意整理は債権者の同意で決まる手続きです。支払いを約束すると民法152条により時効が更新され、その効力は保証人にも及びます。条文で確認できる範囲を整理しました。
- 債務整理の種類は、決める人で分かれる任意整理・特定調停・個人再生・自己破産は、減額の幅ではなく誰が決めるかで違います。債権者の同意が要るもの、裁判所の認可が要るものを条文から並べました。
3相談する・依頼する
相談の前に用意するもの、費用の聞き方、公的な窓口。
- 時効援用は内容証明で送る|郵便法が証明するもの時効は援用しないと裁判所が使えません。援用の方法は民法に書かれていないので、記録の残る形で送ることになります。郵便法の内容証明と配達証明では証明されるものが違います。
- 債務整理のおすすめを名簿で確かめる債務整理のおすすめは、資格と処分の有無を会の名簿で確かめてから決められます。日本司法書士会連合会の検索は簡裁代理権の有無を出し、日弁連の弁護士検索には全員が載ります。ただし載っていることは安全の証明ではありません。
- 偏頗弁済は支払不能の前30日から見られる一部の債権者にだけ返した分は、破産手続が始まったあとに取り戻されることがあります。対象になる時期は破産法162条にあり、支払不能の後だけでなく、義務でない返済は前30日以内も入ります。親族に返した場合の扱いまで条文で整理しました。
- 債務整理の事務所は途中で変更できる債務整理を頼んだあとで事務所を変えたい場合、民法651条が委任はいつでも解除できると定めています。既に払った着手金がどうなるかと、契約書の解約金が効かない場合を条文から整理しました。
- 口座の差し押さえに4分の3の枠は無い民事執行法152条が挙げているのは給料などの債権で、預金債権は挙げられていません。ところが税金の滞納処分では、口座に入ったあとの給与にも枠が及びます。二つの法律を並べて確認しました。
- 差し押さえの解除という手続きは条文に無い民事執行法にあるのは強制執行の停止(39条)と執行処分の取消し(40条)です。債権者が待つと書いた書面で止まるのは4週間、猶予なら通じて6か月まで。しかも取消しにはなりません。
- 免責の申立ては別にしなくてよい|手続きの流れ自分で自己破産を申し立てると、免責許可の申立ても同時にしたものとみなされます。反対の意思を示したときだけ別扱いです。調査への協力義務と、債権者が意見を述べる1か月以上の期間を条文から整理しました。
- 自己破産の費用は同時廃止か管財かで変わる裁判所に納める予納金は、破産財団で費用をまかなえるかどうかで額が変わります。払えない場合に国庫から仮に支弁できる規定も破産法にあります。条文から整理しました。
- 債務整理の弁護士費用は1社あたりか総額かで変わる債務整理の弁護士費用のうち、任意整理の報酬金には日弁連の規程で上限があります。着手金には上限が無く、自己破産と個人再生は対象外です。料金表を公開している窓口5件の額も並べました。
- 個人再生の費用は、事務所に払う分と裁判所に納める分に分かれる民事再生法24条1項は再生手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならないと定め、25条1号は予納がないときは申立てを棄却しなければならないとしています。額が変わる理由も条文から整理しました。
- 給料の差し押さえは4分の3が禁止で、上限が政令にある民事執行法152条は給料の4分の3を差押禁止としていますが、政令の額を超えるときは政令の額が上限です。毎月払いなら33万円で、それを超える部分は残りません。条文と政令から整理しました。
- 債務整理の準備|相談の前に取引履歴を取り寄せる借入先ごとの残高が分からないと、どの手続きを選べるかも決まりません。貸金業法19条の2は、債務者が帳簿の閲覧や謄写を請求できると定めています。準備の順番を条文から整理しました。
4依頼後・その後の生活
取立ての止まり方、信用情報の保有期間、返済が始まってからのこと。
- 自己破産の手続き中の引っ越し|条文は許可制破産法37条は「居住地を離れることができない」と書いていますが、そのあとに「裁判所の許可を得なければ」が付いています。禁止ではなく許可制です。却下されたときの手段と、いつまで続くのかを条文から整理しました。
- 官報の自己破産は90日で閲覧できなくなる官報の発行に関する法律と内閣府令は、インターネットで閲覧できる期間を90日と定め、個人の氏名と住所を含むものを期間経過後の提供対象から外しています。条文で確認しました。
- 債務整理が会社にバレるのは、差押命令が届いたとき裁判所も弁護士も勤務先には連絡しません。会社に書類が届くのは給与を差し押さえられたときで、民事執行法145条3項が送達先に第三債務者を挙げているためです。職業の制限が働く場面とあわせて、条文から整理しました。
- 債務整理のあとの賃貸は、審査するのが大家ではない賃貸の入居審査で信用情報を見るかどうかは、家賃保証会社が何の登録を持っているかで決まります。国土交通省の家賃債務保証業者登録規程は登録を任意としていて、貸金業の登録番号を書く欄が別にあります。調べ方と、契約後に使える権利をまとめました。
- 債務整理でクレジットカードはどうなるか債務整理をするとカードが使えなくなると言われますが、それを定めた条文はありません。加盟業者が信用情報を提供する義務(割賦販売法35条の3の56)と、審査で照会する義務の組み合わせで起きます。条文から整理しました。
- 自己破産が家族にバレるのは通知ではなく保証人から裁判所が破産手続の開始を通知する相手は破産法32条3項に列挙されていて、家族も勤務先も入っていません。それでも家族に知られる経路が2つあり、どちらも条文に根拠があります。個人再生の規定とあわせて整理しました。
- 個人再生の最低弁済額は条文に書いてある個人再生の最低弁済額は民事再生法231条2項に段階で書かれています。借金3,000万円以下なら5分の1か100万円の多いほう、上限は300万円です。給与所得者等再生ではさらに可処分所得の2年分と比べます。条文から整理しました。
- 自己破産で隠すとバレるし罰則がある破産手続では破産者に説明義務があり、拒んだり嘘をついたりすると3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。財産を隠す行為は詐欺破産罪で10年以下、免責が出たあとでも取り消されます。破産法の条文から整理しました。
- 債権回収会社から請求が来たとき債権回収会社は法務大臣の許可を受けた株式会社に限られ、資本金5億円以上が条件です。名乗らせる権利、威迫の禁止、取引履歴を請求できることを条文から整理しました。
- ハードシップ免責の4つの要件民事再生法235条の免責(ハードシップ免責)は4つの要件を全部満たす必要があります。4分の3以上の弁済という条件と、保証人には効かないことを条文から整理しました。
- 自己破産が家族に及ぶ範囲は、条文で限られている家族に請求が行くのか、財産は全部無くなるのか、職業に就けなくなるのか。破産法253条2項は免責の効果が及ばない相手を3つに限っています。条文から範囲を整理しました。
- 債務整理で官報に載るのはどの手続きか破産法と民事再生法は、手続きの開始を官報で公告すると定めています。任意整理と特定調停にはこの規定がありません。どこに何が載るのかを条文から整理しました。
- 債務整理のブラックリストは何年で消えるか債務整理で「ブラックリストに載る」と言われるものに、そういう名簿はありません。実際はCICなどが公表している保有期間の話です。何年で消えるか、何が残るかを整理しました。