債務整理のブラックリストは何年で消えるか
手続きのあと、どれくらい記録が残るのかは気になるところです。
期間は公表されています。 推測ではなく、信用情報機関(信用機関とも呼ばれます)の資料で確かめられます。
「ブラックリスト」という名簿はない
先に言葉を整理します。**債務整理をすると載ると言われる「ブラックリスト」は、どこにも存在しません。**そういう名前の名簿を作っている機関はありません。
実際に起きているのは、信用情報機関に登録されている契約の情報に、支払いの状況が記録として残ることです。だから「載る」「外れる」ではなく、登録された記録が保有期間を過ぎて消えるという形になります。
呼び名が名簿のように聞こえるので、誰かが手作業で管理していて、頼めば消してもらえるように思えてしまいます。実際は期間で決まるので、消してもらう交渉はできません。次の章で見るのはその期間です。
期間が過ぎると自動で消える
CICの説明です。
また、CICに登録されている信用情報は、情報の種類ごとに以下の期間登録され、期間が過ぎた情報は自動的に抹消されます。
自動的に抹消されると書かれています。消すための手続きはありません。「消してもらえる」と言って費用を取る話があれば、そこは疑うところです。
種類ごとの期間は次のとおりです。
6か月申込情報
数え始める日照会日
契約期間中+5年以内クレジット情報
数え始める日契約終了
6か月利用記録
数え始める日利用日
3つは別々に進む。期間が過ぎた情報は自動的に抹消されるので、消してもらう手続きは無い
契約が終わってから5年が上限になります。返済が続いているあいだは契約期間中なので、そのあいだは残り続けます。
何が入っていないか
同じページに、入らない項目も書かれています。
信用情報には人種や思想、保健医療、犯罪歴などの項目は、一切含まれません。
取引の事実だけが記録されているということです。債務整理をしたこと自体が人物の評価として残るわけではありません。
自分で確かめられる
推測で不安になるより、開示して見るほうが早くなります。CICはインターネットと郵送で開示を受け付けています。
申し込みは本人だけができて、必要なものと手数料はCICのサイトに案内があります。報告書には入金状況が記号で並ぶので、開示したら記号の意味を先に確かめることになります。
CIC以外にも信用情報機関があります。 開示はそれぞれに申し込むことになります。
指数という形でも出るようになった
CICは2024年11月28日から本人に、2025年4月1日からクレジット会社等に、信用情報を分析した指数を提供しています。クレジット・ガイダンスと呼ばれます。
CICはこう説明しています。
したがいまして、クレジット・ガイダンス情報は、クレジット会社等による審査において、あくまで参考にする情報の一つという位置付けとなります。
審査そのものではなく、参考にする情報の一つと書かれています。指数がいくつなら通る、という線は公表されていません。
指数の算出には属性(年齢・性別・勤務先・居住地等)が使われず、支払状況や残高といった取引の事実から出されます。契約期間も材料の1つに入っているので、契約が終わってからの年数がここにも効きます。
手続きによって残り方が違う
任意整理は債権者との合意なので、合意した内容に沿った返済が続きます。契約が終わるのは返し終わったときです。
個人再生と自己破産は裁判所の手続きなので、進み方が違います。どちらも債務整理の種類は決める人で分かれるにまとめました。
免責されても残る請求権がある
自己破産で、返済の義務が無くなる免責許可の決定が確定した場合の効力は、破産法253条1項です。
免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
ただし書きで外れるものがあります。租税等の請求権、悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権、養育費など扶養の義務に係る請求権、罰金等の請求権です。
税金と養育費は残ります。 手続きが終わっても払い続けることになるので、そこは分けて計画を立てることになります。
保証人がいる場合
253条2項は、免責許可の決定が保証人の義務に影響しないと定めています。自分の手続きが終わっても、保証人への請求は残ります。
保証人がいる借入先があるなら、手続きを決める前に確かめるところです。任意整理なら、どの債権者と話すかを選べます。
5年をどこから数えるか
「契約終了後5年以内」の起点は、契約が終わった日です。手続きを始めた日でも、依頼した日でもありません。
任意整理で分割の返済を続けている場合、契約が終わるのは返し終わったときです。返済期間が長いほど、そのぶん起点が後ろにずれます。
だから「あと何年で消えるか」は、手続きの種類ではなく返し終わる時期で決まります。 返済の計画を立てるときに、ここも一緒に見ておくと見通しが立ちます。
生活が戻るまでにやること
- 返済が続く手続きなら、毎月の額を家計に組み込む
- 免責されない請求権があれば、別に計画を立てる
- 借入先ごとの契約がいつ終わったかを控えておく
- 5年後をめどに、もう一度信用情報を開示して確かめる
3つ目を控えておくと、4つ目の時期が自分で分かります。契約終了の日が起点になるためです。
クレジットカードがどうなるかは債務整理でクレジットカードはどうなるかに、条文の側から分けて書きました。
開示は何度でもできる
信用情報の開示に回数の制限はありません。手続きの前と、終わったあと、そして5年が近づいたころに見ると、状態の変化が分かります。
見るのは自分の記録なので、開示したこと自体が審査に影響することもありません。確かめる側の行動と、事業者が照会した記録は別に扱われます。
困ったときの窓口
返済が始まってから苦しくなった場合も、相談できる先があります。
法テラス(日本司法支援センター)、各地の弁護士会・司法書士会の相談窓口、請求の内容でもめている場合は消費者ホットライン 188 です。
一度手続きをしたから相談できない、ということはありません。
記録があるあいだにできること
記録が残っているあいだも、生活が止まるわけではありません。できることと、確かめておくことを分けておきます。
公共料金や通信費の支払い方法を、口座振替や現金に切り替えておくと、カードが使えなくなったときに止まりません。家賃や携帯電話の分割払いのように、信用情報を見て審査される契約もあるので、更新の時期が近いものは先に確かめておくことになります。
慌てて新しく借りて埋めないことが、いちばん効きます。
住宅ローンや自動車ローンを組めるかどうかも、よく聞かれます。ここは「組める」「組めない」で答えられません。信用情報機関が公表しているのは保有期間だけです。その記録を見てどう判断するかは、貸す側の各社が決めています。審査の基準は公表されていません。だから記録が消えたら通るとも、残っているうちは必ず落ちるとも書けません。
分かることは2つです。記録が残っているあいだは、その記録も見られていること。保有期間がいつ終わるかを、自分で確かめられること。確かめ方は下の「自分で確かめられる」に書いたとおりです。
なお信用情報と官報は別のものです。裁判所を通す手続きでは、開始の決定が官報で公告されます。どの手続きで載るかは官報に載るのはどの手続きかにまとめました。
資格の制限や、手元に残る財産の額といった条文で決まっている範囲は自己破産が家族に及ぶ範囲は、条文で限られているに分けてあります。
記録が消えるのを待つあいだにできること
保有期間は自分では動かせません。動かせるのは、そのあいだに残りの手続きを片づけておくことのほうです。
任意整理を途中まで進めて残りを放置していると、記録の起算点が後ろにずれることがあります。和解した債権者と、していない債権者で登録される内容が違うためです。
このサイトが載せているアース司法書士事務所は、任意整理の基本報酬を取引中 1社あたり 11,000円〜(税込)、完済分は1社あたり0円としています。減額報酬とオプション報酬は「当事務所では頂戴いたしません」と書かれています(2026年8月30日確認)。完済した業者ぶんの費用が0円なら、残りをまとめて片づけるときの負担が読みやすくなります。
金額はいずれも下限なので、社数を伝えたうえで見積もりを取ってください。
まとめ
- CICの信用情報は、期間が過ぎると自動的に抹消される
- クレジット情報は契約期間中および契約終了後5年以内
- 申込情報と利用記録は6か月
- 信用情報に人種・思想・保健医療・犯罪歴は含まれない
- 自己破産で免責されても、税金・養育費・罰金等は残る
- 免責許可は保証人の義務に影響しない
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